ハーフィンダール指数(HHI、Herfindahl-Hirschman Index)とは、 市場における各プレイヤーのシェアの2乗和として算出される、市場集中度の測定指標です。 本来は反トラスト法・独占禁止法の領域で発展した指標で、米国司法省や公正取引委員会などが 市場集中度の評価に活用しています。

計算式

N社のシェアをそれぞれ s1, s2, ..., sN(%表示)とすると、HHIは以下で表されます。

HHI = s1² + s2² + ... + sN²

例えば、市場が4社で構成され、それぞれのシェアが40%、30%、20%、10%の場合、 HHI = 40² + 30² + 20² + 10² = 1,600 + 900 + 400 + 100 = 3,000 となります。

HHIの値は0〜10,000の範囲をとり、値が大きいほど集中度が高いことを示します。 米国司法省のガイドラインでは、HHIが1,500未満を「非集中市場」、1,500〜2,500を「中程度集中市場」、 2,500を超えるものを「高集中市場」と分類しています。

知財ポートフォリオ分析への応用

HHIは、知財ポートフォリオの「技術領域集中度」を測定する指標として応用できます。 企業が保有する特許を技術分類別(IPC、CPC等)に集計し、各技術領域における特許件数の シェアからHHIを算出することで、ポートフォリオが特定領域に集中しているか、 広範に分散しているかを定量化できます。

この応用により、以下のような分析が可能になります。

  • 競合他社とのポートフォリオ構造の比較
  • 業界平均との乖離の把握
  • 事業戦略と知財戦略の整合性検証
  • M&Aターゲットの知財構造分析

解釈の注意点

HHIは集中度の便利な指標ですが、いくつかの解釈上の注意点があります。

第一に、HHIの値そのものよりも、業界・時系列での比較において意味を発揮します。 絶対値で「高い」「低い」を論じるのではなく、相対的な位置づけを評価することが重要です。

第二に、集中度の高低と「戦略として優れている」かは別の問題です。極限集中型と分散防衛型は、 どちらも合理的な戦略選択になり得ます。

関連用語

  • 集中度(準備中)
  • 競合接近度(準備中)