ロイヤルティ免除法(Relief from Royalty Method)とは、 無形資産評価における収益アプローチの一手法で、「対象の無形資産を自社で保有することによって、 本来であれば第三者に支払うべきロイヤルティ(使用料)を回避できる」という考え方に基づいて、 将来回避されるロイヤルティの現在価値を算出することで、当該無形資産の価値を評価する手法です。
計算プロセス
標準的な計算プロセスは以下のとおりです。
- 対象資産が貢献する将来売上高を予測する
- 市場における類似資産のロイヤルティレートを調査・選定する
- 予測売上高にロイヤルティレートを乗じ、各期の節約ロイヤルティ額を算出する
- 節約ロイヤルティ額に税効果調整を施す
- 適切な割引率(典型的にはWACCに無形資産プレミアムを加算したもの)で現在価値を算出する
適用場面
ロイヤルティ免除法は、以下のような場面で広く採用されています。
- 商標・ブランドの評価
- 特許の評価
- ソフトウェア・著作権の評価
- M&A取引における無形資産の購入価格配分(PPA)
- 移転価格税制における無形資産の評価
- 減損テストにおける回収可能価額の算定
長所と限界
本手法の主な長所は、市場で観察可能なロイヤルティ取引データに基づくため、客観性が比較的高い点です。 また、計算ロジックがシンプルで、評価結果の説明が容易です。
一方で、適切なロイヤルティレートのベンチマーク選定が困難な場合があること、対象資産が将来生み出す 売上の予測精度に評価結果が大きく依存することは、本手法の限界です。
関連用語
- Excess Earnings法
- FRAND条件(準備中)
- 標準必須特許(SEP)(準備中)